こあいに急な石段はそうないなあ・・・
と、思わずそんなことを口にするほどヒーヒーと声をあげて登った。勾配の角度は45度を優に超えて垂直、といえば大袈裟だが体感的にはそれほどの急勾配で怖い。休みながらでないととても一気には登れない。平日の午後だったので行き交う人はいないだろうと思ったていたが、何人もの人たちとすれ違った。下ってくる女性に「あのお、まだ大分あるんですか」と声をかけたら、「もうすぐそこですよ」と笑顔が返ってきた。
長い間、一度登ってみたいと思っていた神倉神社にやっと登った。頂上の社殿の上に御神体だというゴトビキ(ガマガエル)の形をした岩があった。ゴトビキを知らない人はいないだろう。大形で褐色のあの乾いた皮膚。頭は大きく危険なときは体から毒の白い液体を出す。子どもの頃、素手で触ろうと思わなかったあのゴトビキだ。
その巨岩を見ながら疑問が生じた。なぜゴトビキの形をした岩をご神体として祀っているのか? そこで、市役所に聞くと「あれはご神体ですが祀っているのは高倉下命(タカクラジノミコト)と天照大神(アマテラスオオミカミ)です。ゴトビキ岩はもともとそこにあったんです」との説明だった。
晴天。眼下には新宮の街並み、その先に太平洋、左には熊野川と三重県紀宝町鵜殿村が一望できる。次は「お灯まつり」を見てみたい。
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