
この新聞と利害関係はない。
というか、最近はあまり好きではない。大学に進学するまでの間、大阪の新聞販売店に住み込み、朝・夕刊の配達をしたという懐かしい思い出がある。若い世代ではネットと向き合う時間がふえ新聞離れが加速しているらしい。
それはともかく、この題字を見てほしい。「新聞」の「新」という字の左側。なんか変だと思いませんか? 「立」の下が未来の「未」という字になっている。「新」という漢字のひと時代前の漢字だ。「なあなあ、見てみ」とまわりの人たちに見せると、みんな「知らなんだなあ」と驚いていた。
会社ができた当時の題字をそのまま使っているようで、それはそれで勝手だ。だけど、こんなことにこだわるのであれば、内容にもこだわりを持ってもらいたい。最近のこの新聞の論調は政府ご用達としか思えないものが目立つ。 「言葉は多数決だ」と井上ひさしは言った。間違ったことばでも多数の人が使いだすと正しいことばになってしまう、というのだ。
「読みやすく、書きやすく、正確で、潤いのある」日本語がいいとも井上ひさしは言っていた。漢字もことばも時代とともに変化するもの。とはいえ、時代に流されているばかりでは困る。「右」「左」を問題にしているんじゃない、真実を追うペンであれということだ。
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