
日本カモシカだ。
今日、熊野川町(現新宮市)の山道を走っていたときだ。ゆるやかなカーブを曲がったら、目の前の道路脇にいた。10数メートル離れていたが、すぐに車を停めシャッターを押した。焦っていたのでピンボケだ。(ああ、オートフォーカスがほしい) しばらくの間、じっとこっちを見つめたまま動かなかった。
カモシカは崖を好むというが本当だと思った。このガードレールの右下は約30メートルのほぼ垂直の崖と谷川だ。カモシカが去ってから下を覗き込んだが、いったいこの垂直の崖をどうやって登ったり降りたりするのか?
道路脇の草の新芽を食(は)んでいたようだ。姿からしてまだ若い。カモシカはほとんど群れをつくらずに暮らしているらしい。子どもカモシカは少し大きくなるまでは母親と一緒だという。だとすると、近くに母親がいたのかも知れない。
それにしてもだ、ここ数年、こうして野生の生き物との出会いがなんと多いことか。この広大な紀伊半島のなかに、いったいどれほどの生き物が生息しているのだろうかと思う。まだ出会ったことがないが、こうして走っていると、いつか熊にも出逢うような気がしてきた。そのときにシャッターを押せるかどうか・・・。
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