石原慎太郎(78歳)という人。
この人は、「この津波をうまく利用して我欲を1回洗い落とす必要がある。積年たまった日本人の心のアカをね。これはやっぱり天罰だと思う」と言い放った。「日本に対する天罰だ。大きな反省の一つのよすがになるんじゃないですか」とも。
東日本大震災への対応について問われての発言だという。この「天罰」発言には轟々(ごうごう)たる非難の世論が広がった。あまりの非難の声に、彼は発言を撤回し謝罪した。
いわく「添えることばが足りなかった」。はっきり言って、これは謝罪ではない。 宮城県の村井知事は、「苦しみを味わっている人たちがいることを考えてほしい」と、腹立たしそうに述べたという。
死者と行方不明者10.000人以上という未曾有の大災害。巨大地震、巨大津波、その上に襲いかかった原発事故による放射能被爆の恐怖。 刻一刻と、地獄のふちから突き落とされるかのようなときを過ごしている人々に、それは「天罰」なんだと言い放つその性根(しょうね)。
ことは「右」とか「左」とかのレベルではない。そしてこの人に「足りない」のは「添えることば」ではない。足りないのは人としての最低限の品格である。ましてや公人としての資質がなにも備わっていない。 (写真・津波に流された家の跡に座りこむ人)
PR