
花の蜜(みつ)は60%が水分だという。
ミツバチはこの蜜を蜜房に集める。それから時間をかけて自分の体温で温めて水分が20%になるまで蒸発させる。こうして出来上がった蜂蜜を後々の食糧としてたくわえておくために、ミツバチは甘蓋(あまぶた)という蓋をする。この蓋を取り払い、垂らしたものがハニー(honey)という名の純粋蜂蜜だ。
“ 寒風をついて蜜房を裂く ”と古い文献にいう。昔の日本では蜂蜜の採取は年に一回行われた。いまは蜜房が甘蓋で覆われれば採取している。その時にミツバチの餌として三分の一ほどは蜜房を残しておく。
古座川の奥の大甲(たいこう)で採れた蜂蜜が東京の市場に運ばれ三越で売られた。もちろん船便で運んだ。その蜂蜜が「絶品だ」との評価をうけたのは遠く大正の御世のことだ。
新婚の数ヶ月、花婿(はなむこ)に蜂蜜酒を飲ませ精力をつけさせる。この古代ゲルマン人の素晴らしい習慣をHoney moon (ハネムーン)という。
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